我が家が介護に関わる生活が始まったのが、今から10年ほど前のことでした。
私の祖母は当時70代後半だったのですが、認知症の症状が進んでいったのです。
祖母の介護を主に担当していたのは、私の母親であり、祖母の実の娘です。
母と祖母は別の家に住んでいましたので、介護生活の当初は母が祖母の家に通って身の回りの世話をしていました。
私が直接祖母の介護をすることはほとんどなかったのですが、それでも母が出来ない、家の食事の準備や洗濯などを引き受けたり、間接的な影響はありました。
おむつ交換をしたり食事の世話や選択をしていたのですが、そのうち症状が進行してきまして、ついには要介護5にまで進行してしまいました。
それが今から6年ほど前だったでしょうか。
そこまで進行してしまいますと、もはや母一人だけの手ではどうにもなりませんので、やむなく祖母には施設に入所してもらうこととなりました。
結構費用の安めの施設で、つきに50000円くらいの負担金で済みました。
それで食事代や入居費用、洗濯代など全てが含まれていました。
施設に入所後に母が行ったことは、顔を見せたり洗濯物を引き取ったりといったことでした。
祖母は今から2年前に天国へと旅立っていき、母の介護生活も終わりを迎えました。
介護生活は、とかく外部との交流が遮断されがちです。
母もそれを分かっていたのか、あえて積極的に外との交流をもとうとしました。
そうすることで、めいりがちな気持ちを少しでも紛らわせようとしていたのでしょう。